保 全 異 議 申 立 書

 

平成16年12月28日

 

東京地方裁判所民事第40部 御中

 

債務者代理人弁護士 春 日 秀 文

 

当事者の表示 別紙当事者目録記載のとおり

 

申 立 て の 趣 旨

1 債権者と債務者間の東京地方裁判所平成16年()第22093号著作隣接権侵害差止請求仮処分命令申立事件について、同裁判所が平成16年10月7日にした仮処分決定を取り消す。

2 債権者の上記著作隣接権侵害差止請求仮処分命令の申立てを却下する。

3 申立費用は債権者の負担とする。

との決定を求める。

申 立 の 理 由

 

第1章および第2章のとおり、本件仮処分決定には被保全権利が認められないから直ちに取り消されるべきである。

また、第3章のとおり、決定が債務者を複製の主体と認定した要素を払拭したため、債務者による複製行為は今後発生しないので、保全すべき権利は消滅し、事情の変更が生じたものであるから、本件仮処分決定は直ちに取り消されるべきである。

 

第1章 「録画ネット」サービスの仕組み(実体)について(図1「録画ネット」サービスの仕組み(実体)

 

 

第1 機器等の設置(図2「利用者が複製・視聴可能となるまで」

利用者がテレビ番組を録画し鑑賞するための機器等について説明する。以下のとおり、利用者が用意しなければならない機器が多数ある。客がカラオケ店に手ぶらで行って唄を楽しむのとは全く異なっている。

 

1 利用者が占有する機器等

(1) パソコン関連

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利用者が所有している手元のパソコン。本件サービスを利用する際に、録画、転送、消去、再生、鑑賞等全ての命令を発する、録画機能を利用するには欠くことのできない主要パソコンが必要である。パソコンが正常に稼働するよう、常に利用者が管理・支配している。これがないと命令が出せないので、録画に不可欠な機器である。

◆.皀縫拭淵妊スプレイ)
手元のパソコンの画面を映すための装置であり、パソコンを操作するためには必要な機器。これがないと命令が出せないので、録画に不可欠な機器である。

 キーボード
キーボードによってパソコンに命令を出す。録画に不可欠な機器である。

ぁ マウス
マウスはパソコンを操作するために必要な機器で、これがないとクリック命令が出せないので、録画に不可欠な機器である。

(2) ハブ

  スター型LANで使われる集線装置で手元のパソコンをネットワークに参加させために利用されている。ハブは、一般にOSI基本参照モデルのレイヤ図でいうところのレイヤー1(物理層)、レイヤー2(データリンク層)における低レベルにおける交通整理を担当しているため、通信パケットの中身には関知しない。ハブ無しではインターネットに接続することができない。

(3)  ルーター

 インターネットとテレビパソコンをつなぎ、通信を中継するために通信パケットの割り振りを行う機器である。ルータは、一般にOSI基本参照モデルのレイヤ図でいうところのレイヤー3(ネットワーク層)と一部はレイヤー4(トランスポート層)における低レベルにおける階層で通信を行っているのみである。それゆえ、その中を流れる情報が著作物なのかそうでないのかの判断は一切行わない。

(4) ブラウザソフトウェア

利用者が自己所有のテレビパソコンに命令を出すために必要であり、通常はパソコンを購入すると同胞されている。

(5) 再生ソフトウェア

Windows 標準のウィンドウズメディアプレーヤーで再生できる。通常は通常はパソコンを購入すると同胞されている。利用者は好みによって他のプレーヤーをインストールすることもある。

(6) ブロードバンド利用契約

2 債務者が占有する機器等

(1) テレビパソコン

 テレビチューナー付きパソコンである。

債務者は、利用者が簡単に利用できるようなユーザーインターフェースとなるソフトウェアおよび外出先から簡単に私的なファイルにアクセスできるような「テレパソポケット」(パーソナル簡易ファイルサーバ)ソフトウェアを付加した。なお、OSにはLinuxを採用するが、Linuxの配布CDには、録画に必要な全てのソフトウェアなどが同胞されている。それゆえ、債務者が付加した上記各ソフトウェア無しでも、録画することが可能である。テレビパソコンが待ち受けるアプリケーションはhttpに絞っている。

(2) アンテナ

(3) 分配機

 アンテナが受信した電波を各テレビパソコンに接続するための分岐点の役目を果たす媒介機器である。また分配機も、個々のパソコンにアンテナを取り付ければ必要ない。

(4) ブースター

出力を増強するためにこれを設置している。

(5) WWWサーバ(ホームページサーバ)

(一) 「録画ネット」のウェブサイト(「http://www.6ga.net/」をトップページとするウェブサイトであり、以下「本件サイト」という)のファイルを格納しているサーバである。

利用者は、本件サイトにアクセスして初めてその所有するテレビパソコンにログインできるように設定されている。かような設定を施した理由は、”埓汽▲セスの防止・早期発見、伝言の徹底およびアクセス回数の確保である(保全申立答弁書5頁、同別紙3「多重ログイン防止機能の仕様」)。以下、”埓汽▲セスの防止・早期発見のための工夫(ネットワークセキュリティ)について詳述する(図3「WWWを用いて受理するシステムと本件システムの違いについて」)。

(二) 不正アクセスの防止・早期発見のための工夫(録画ネットのネットワークセキュリティについてについて)

録画ネットのネットワークセキュリティは、@利用者によるID、パスワードの設定・入力、A多重判定依頼およびBテレビパソコンに対するログイン、から成り立っている(図3:Aピンク色で示した)。

@ 利用者によるID、パスワードの設定・入力

利用者は、テレビパソコンにログインするための固有のIDおよびパスワード(いつでも変更可能)を保管している。

A 多重判定依頼

利用者は、手元のパソコンから、IDとパスワードを送信することによりWWWサーバに対して、そのテレビパソコンにすでにログインしている者がいるかどうかの判定を命令する(多重判定依頼。図3中のピンク色の領域内の一番上の紺色の矢印)。この仕組みは、ログインする者が他に存在することを把握することにより不正使用を発見するものである。WWWサーバは、受信したIDとパスワードから多重ログインの有無判定し、特定のテレビパソコンの所有者であることを確認したら、次に利用者からのアクセスをそのテレビパソコンへリダイレクト(目的地を変更)する。注意すべきは、利用者はWWWサーバにログインしているわけではないことである。

B テレビパソコンに対するログイン

利用者が送信したユーザーIDとパスワードは、所有するテレビパソコンに到達し、テレビパソコンにログインすることで利用権限を取得する。この後は、録画予約命令、転送要求、転送など全ての命令を利用者の手元のパソコンとテレビパソコンの2つの自己所有パソコンとの間での直接通信として行われている。WWWサーバは何ら関与しない。すなわち、利用者が所有するテレビパソコンは単体で利用者の録画にかかる全ての要求に応えている。それゆえ、たとえば利用者がその自宅にテレビパソコンを設置しても同様に利用できる(実際、返却後同様に利用されている)。

C 「本件サービスにおいては、本件サイトを経由してのみ録画予約が可能になって」いること(決定書17頁)について

仮に、「録画ネット」が図3のBのシステム(図3:下方の黄色い領域)だとすると、WWWサーバは、ログインを管理し、録画予約の命令などを代行していると評価することもできよう。しかし、債務者のシステムはAのとおり(図3:ピンク色)である。

(6) 死活監視(Ping)サーバ

一定時間毎に論理的に別のネットワークから、テレビパソコンがきちんとネットワークに返答できる状態であるかを判断するサーバソフトウェアである。

(7) サーバソフト

Linuxの配布CDには、録画に必要な全てのソフトウェアなどがすでに同胞されているので、特に債務者製のソフトウェアが録画をするのに必要な訳ではないが、入っているソフトに対して簡単に命令を出せるようなGUIのインタフェースを提供している。サーバソフトは全てLinux配布CDに同胞されているものである。

(8)ハブ、(9)ルーター

  いずれもテレビパソコンをインターネットに接続するために必要である。ハウジングサービス業者は当然これを設置している。これらの機器は複製の中身には関知していない。

3 インフラ

   利用者、債務者ともに電源を有し、電気使用契約にもとづき電気を使用している。また、ブロードバンドインターネット回線を利用している。

第2 利用者がその所有するテレビパソコンで複製・視聴するまでの手順(図2:利用者が複製・視聴可能となるまで)

 利用者がその所有するテレビパソコンで複製・視聴する手順を説明する。「録画ネット」サービスにおいて、利用者は、手元のパソコンとテレビパソコンの2台のパソコンを所有し、利用者が加入しているインターネットプロバイダを通じてインターネット経由で手元のパソコンからテレビパソコンに命令を出して録画を実行させ、その動画ファイルを転送させ、鑑賞しているものであり、手順は以下のとおりである。このように、録画については専ら利用者が行っており、債務者は録画行為を分担していない。

1 機器の調達・準備

 まず利用者は、本件サービスを利用するために手元のパソコン、モニタ、キーボード、マウス等を調達・準備し、さらにインターネットサービスプロバイダと独自に契約し、インターネット回線につながる環境、すなわちモデム、ルータ、ハブを調達・準備し、これらを適切に接続し、ブラウザソフトをインストールして、債務者に預けた自分の所有するテレビパソコンへ録画命令を出せる状態を整えることを要する。

2 録画する番組の選択

次に、利用者はインターネットにつながっている手元のパソコン、モニター、キーボード、マウスなどを使って、用意してあるブラウザソフトを操作して、ソニーのテレビ王国などのインターネット番組表サイトを閲覧する。これらテレビ番組表サイトを見ながら、何チャンネルのどの番組を、何時から何時まで、どんなモードで録画するかの情報を収集し、録画する番組を選択する。

3 ログイン要求

 次に利用者は、手元のパソコンを操作して、本件サイトにアクセスし、本件サイトの画面の上部に表示される「ご契約者様専用Login」ボタンをクリックし、ユーザー確認の画面に進む(「保全申立書別紙2:.蹈哀ぅ鵝法

4 所有者確認と多重ログイン禁止

ユーザー確認の画面(保全申立書別紙2:▲罅璽供竺稜А砲開いたら、「ユーザーID」と「パスワード」を入力して、すぐ下の「ログイン」ボタンをクリックする。すると、テレビパソコンが不特定多数の人からのアクセスを防ぐ目的で債務者が用意した多重ログイン禁止プログラムで、同一のユーザーIDとパスワードで複数人がネットワーク内に侵入していないかの検査が行われる。このプログラムはネットワークへ侵入しようとするアクセスを通過させるかどうかを判断しているだけで、wwwサーバにログインするというものではなく、通過したアクセスは、利用者所有のテレビパソコンのログインのプロセスへリダイレクトされる。

5 ログイン

多重ログイン防止機構を経たアクセスは、利用者のテレビパソコンにリダイレクトされ、利用者は自己所有のテレビパソコンにログインする。

6 録画予約命令発行

自分のテレビパソコンにログインがなされると、録画予約画面(保全申立書別紙2:O寝萢縮鵝砲表示される。ここで、あらかじめ他社のテレビ番組表サイトで調査し、決めておいた録画したい番組についての、開始日、開始時刻、終了時刻、チャンネル、メモ、録画サイズ、録画モードなどを入力し、「予約する」ボタンをクリックして録画の予約を行う。

7 録画命令実行

 テレビパソコンは利用者の発した命令のとおり作動し録画を実行する。利用者が命令を発しないと何も録画しない。

8 録画完了

録画が完了した頃に、もう一度テレビパソコンにログインし、「録画済み」タブをクリックして、録画済みファイル管理画面へ移動する(保全申立書別紙2は寝茣偉察法

9 録画したファイルの管理

 「録画済み」画面には、すでに録画が終了している番組の一覧が表示されている。以前に利用者が命令した通りの録画済みとなったファイルの一覧が表示されている。利用者はこれらのファイルを排他的に利用・処分する(削除、保存、転送など)。たとえば、一覧表示されているファイルが不要な場合はゴミ箱アイコンをクリックして消去する。

10 転送(ダウンロード)

一覧表の中から手元のパソコンに転送(ダウンロード、2つの自己所有のPC間の通信)したいものを選択し、当該番組名の左側にあるアイコンをクリックする。あとは、Windows標準のソフトが起動し、ウィザードが開始されるので、転送・保存先の確認画面へ移動する(保全申立書別紙2ァ録画したファイルの転送)。

11 転送・保存先の確認

 「ファイルのダウンロード」と題するWindows標準ウィンドウが開くので、「保存」ボタンをクリックし、手元のパソコンのハードディスク内の、どのフォルダに録画した番組のファイルを保存するかを決定すると、転送(ダウンロード)が開始される。(保全申立書別紙2Α転送・保存先の確認)

12 転送完了

 転送(ダウンロード)が完了すると、Windows標準ウィンドウ機能がその旨を画面に表示する。(保全申立書別紙2:転送完了)

13 再生

手元のパソコンに保存されたファイルは、通常はWindowsに既にインストールされている映像ファイル再生ソフト(ウィンドウズメディアプレーヤーなど)を用いていつでも再生して鑑賞することができる。

第3 「録画ネット」サービスにおける「システム」について(図4「クライアントサーバシステムの構成図」

  「録画ネット」サービスにおける「システム」は、利用者と債務者が分担する「システム」であり、債務者側のみを取り上げて「統一的システム」云々することは論理的に誤っている。

1 第1および第2のとおり、「録画ネット」では、録画のための機能を利用者と債務者が分担している。これは現在、インターネットで多用されている典型的なクライアントサーバシステム(コンピュータシステムのハードウエアやソフトウエアを、サービスを実行するサーバと、サービスを利用するクライアントとに分け、両者がそれぞれの機能を分担する分散処理システム)をいう。すなわち、各々の利用者が手元のパソコン(クライアント)、ハブ、ルーターを用い、自ら契約しているインターネットプロバイダを経由することで、手元のパソコンからインターネットを経由してサーバ(テレビパソコン)に命令を出す。図4の青の領域の所有者Aさんは、1つのクライアントサーバシステムを所有し、排他的に使用している。つまり図4の青、赤、黄色で示したとおり、本件サービスにおいて「システム」と評価されるべきは、クライアントとサーバを一対としたシステムである。

2 一方で、WWWサーバで実行する多重ログイン禁止プログラムはハウジングサービス領域のネットワークセキュリティーを守るための別個のシステムである。また、死活監視(Ping)サーバもテレビパソコンが返答するかどうかを外部から確認するプログラムである。これら2台のサーバ無くともクライアントサーバシステムに何ら影響を与えない(図4:うすい水色の領域)。

3 債務者の事業所内にはテレビパソコンが並んで設置されている。しかし、1および2のとおり、テレビパソコンには何ら有機的関係は無く、これらはWWWサーバや死活サーバとも統一的なシステムを構成しているわけではない。それゆえ、図4中の波線内をシステムとして評価することは誤りである。

第4  利用者と債務者間の法律関係について −ハウジングサービス−

債務者が利用者に対して「録画ネット」として提供しているサービスはハウジングサービスの典型であり、WWWサーバ、死活サーバの導入は、ハウジング業者として当然のサービスを行ったに過ぎない。

また、セキュリティ確保のためのテレビパソコン「支配」は、同PCの内部には関わっていない(ログインしてない。ログインについては第5で説明する。)ので、複製主体認定における「支配」とは次元が異なっていることに留意することを要する。

1 ハウジングサービスとは

(1) ハウジングサービスとは、顧客の所有するコンピュータ(サーバ)や周辺機器を、回線、空調、電源等の設備を整えた施設に設置・保守するサービスであり、インターネットサービスプロバイダや通信事業者が行っている。顧客にとって、安定した電源設備や、高速なインターネット回線を安価に利用できること、パソコンの稼働状況の監視を委託できる点がこのサービスを利用する大きなメリットである。ハウジングサービスを提供する業者のほとんどは、コンピュータの監視、電源のON/OFFなど、客の手足となって物理的な操作を代行する「リモートハンド」サービスを提供している。ハウジングサービスにおいては、業者は機器の物理的な場所と回線、電源などを管理・供給するが、パソコンの内部である論理的な管理は全て顧客が行う。この点が単なる寄託との決定的な差異である。

(2) ハウジングサービスの典型例として、大手のNTT Smart Connect社が提供するハウジングサービス(サービス名称:メディアコネクト)を挙げる。同サービスは、以下の各サービスを内包する(乙・34メディアコネクト)。

 屮螢癲璽肇魯鵐鼻

顧客の機器設備の電源ON・OFF等の物理的な作業を、顧客に代わって実施する。同サービスには、あらかじめ決められた時間に実施する定期作業と、顧客の指示があった時に実施する随時作業の2種類がある。

◆屮肇薀侫ックレポート」

ネットワーク内を流れるデータ量をレポート形式で提供する。

「ユーザ認証機能」

事前登録されたユーザをユーザIDとパスワードで認証し、通信を許可する機能。

ぅ丱螢紂璽▲奪廛廛薀ぅ戞璽抜道襯機璽咼

NTTスマートコネクトのデータセンター内にハウジングされたプライベートネットワーク上の利用者機器の状況を、利用者に代わって24時間365日監視し、異常を検知した場合に通知するサービスである。本サービスを利用することで、利用者のシステムの維持管理レベルを飛躍的に向上することができる。

2 債務者の「録画ネット」サービスについて

(1) 債務者は、テレビパソコンの保管・保守をサービスしている。具体的には、スタックの場合、電源を入れ直すなど、「リモートハンド」サービスを行っている。死活監視サーバによる異常検知も行っている。また、ユーザID・パスワードによるユーザー認証および多重判定依頼システムによるセキュリティ確保を行っている。かように、債務者のサービスは1のハウジングサービスそのものであり、そのサービスは、顧客のパソコンを預かるハウジングサービス業者として至極当然のものである。

(2) 債務者のサービスと典型的なハウジングサービスの相違を敢えて挙げると、待ち受けアプリケーションをhttpに制限している点が挙げられる。その理由は、ハウジングサービスを低料金で提供するためである。すなわち、ハウジングサービスの料金は、個人利用には高額である。そこで「録画ネット」では、個人ユーザー向けにサービスするため、料金を低額に設定している。すなわち、料金が高い原因は、不足しているグローバルIPアドレス)にある。そこで、低額にするために限られたIPアドレスで多くのサーバを預かれるポート番号にてローカルIPアドレスに変換するNATを利用している。その結果、ルータの性能などの関係で変換できるポート数が制限され、結果として預かっているテレビパソコンが待ち受けるアプリケーションをhttpに絞っている。

3 「支配」の多義性について

  パソコンを自在に利用できる者は、ログインできる者である。複製行為に即して言えば、ログインして録画命令を出すことができる者が同パソコンを「支配」しているといってよい。一方で、物理的にそのパソコンを占有し風雨から防いだり不正侵入をシャットアウトする者も、物理的には「支配」しているといえる。しかし、後者の支配は、パソコン内部には立ち入っておらず複製行為にはなんら関わっていないため、複製行為の主体認定との関係では「支配」は無いと言わざるを得ない。

第5 特に「ログイン」について

   テレビパソコンにログインできる利用者こそテレビパソコンを支配している者である。

1 2台のコンピュータをインターネットに接続し、一方(クライアント)から命令を出して他方のコンピュータ(サーバ)を操作することが当たり前となっている。それゆえ、クライアントパソコンの目の前に座っていることは、サーバを自在に操作する点では、サーバの目の前に座っているのと、同一である(もちろん、サーバをインテリアとして飾る等、物理的に利用することはできないが、サーバの主目的は、その演算機能であるから、演算機能を排他的に利用できる者がサーバを排他的に支配していると解される)。そこで、サーバをネットワークを介して排他的に利用できる者は、まさにサーバを支配しているといってよい。

2 そして、サーバを排他的に利用できる者は、サーバにログインする者である。ログインとは、「コンピュータシステムに接続し、利用を開始すること。通常、ログインの際にはユーザーIDとパスワードを入力し、正当な利用権限を持つユーザーであることをコンピュータに伝えます。」(初級シスアド基本用語辞典第2版 新生出版社)という概念である。

3 本件にてらすと、テレビパソコンにログインすることができる利用者こそテレビパソコンを排他的に支配しているといえる。

第6 利用者の複製意思等について

テレビパソコンの設置は利用者の意思にもとづいて、その指示にもとづき債務者が受託者として行ったものである。

1 契約の動機等

(1) 海外邦人が日本のテレビ番組を視聴する需要

ビジネス上も、研究・勉学上も、リアルタイムで母国の情報を入手する必要性は大きい。日本でテレビ番組を見ていれば、簡単に入手できる情報でも海外では非常に入手困難である。時差なしに入手することはさらに困難である。駐在等に同行させた子供の教育問題等は極めて深刻な問題である。我が子が何の苦もなく外国語を話すことは嬉しいが、日本人としてのアイデンティを保つことも大切であるし、帰国後は日本語で不自由したり、日本文化に触れる機会が少いため「帰国子女いじめにあったりしないだろうか」などの心配がある。これらは海外在留邦人の多くが抱えている不安である。

(2) テレビパソコンの登場

コンピュータ技術の進歩とインターネットのインフラ整備が進んだことにより、日本に設置するパソコンで海外からでも日本のテレビ番組が鑑賞できるテレビパソコンという製品が続々と登場している。例えば、大手メーカー製のテレビパソコン(WindowsXP Professional搭載機)や、遠隔地で視聴する専用機であるソニーの「エアボード」(乙35)、メルコ社のリモートアクセス(乙36)、シャープのガリレオ等のとおりである。そのほか、Windows搭載機にリモートコントロールソフトウェアをインストールする方法もある。さらに、テレビパソコンの自作をアドバイスする雑誌記事も多く見受けられる。

(3) 「録画ネット」の需要

テレビパソコンを自ら留守宅に備え付けて利用する者も多い。しかし、一方で、パソコンの設定方法に疎い者も多い。また、忙しくてその暇が無い者も多い。さらに、セキュリティに対する不安があり、騒音問題や場所の問題もある。また、ハングしたときの復旧の手間の問題があり、仮に自宅に家族が居ても、作業をいちいち頼むことを好まない者もいる。ここに、テレビパソコンの保管・保守の需要がある。

(4) 債務者による企業努力

債務者は、かようにこの需要を満たそうと、テクノロジーの発展と、インフラの整備の恩恵をこれらの者に享受してもらうべきであると考えた。そして、適法性を考慮し、パソコン販売、その設置・設定代行、そのパソコンのハウジングサービスという全て適法な行為の組合せを考えた。ハウジングサービスが必要な人々に向けての最適なサポート体制を組み、債務者の考え方を鮮明なメッセージとしてアピールした。また、海外在留邦人に役立つことを目標とするため、目標利用者数等の想定を一切せず、長期にサービスを継続できることを第一目標にしてきた。

(5)            利用者も購入前の段階では、数ある「日本のテレビを海外でも鑑賞」を実現する様々な選択肢(大手メーカーの各テレビパソコンまたは債務者製のパソコン+ハウジングサービス)から、最終的に債務者のサービスを選んだのが本件利用者である。債務者のパソコンを選んだ人の殆どは、ハウジングサービスが必要な人々である。そして、録画ネット製のテレビパソコンを購入し、テレビパソコンのハウジング契約を締結した。以下、その後、購入者が自分のテレビパソコンを利用できるまでの流れである。
1)債務者は申込み受理する。
2)債務者は購入者に設置予定日を連絡する。
3)所有者毎の個人情報を元に、テレビパソコンを設定する。
4)債務者は設置と動作確認を行う。
5)債務者は、ユーザーIDと仮パスワードを所有者に通知する。
6)所有者は仮パスワードを自分の好きなパスワードに変更する(所有者は自分のテレビパソコンが不正利用されないように、ログイン用のパスワードを任意の時期、回数で変更し管理している。)。
 この後は所有者によって排他的に利用され、債務者はハウジングサービスを開始し、ネットワークに接続されている状態を保っている。そして、所有者からの調査依頼か、または、不正利用の疑いがある場合を除き、債務者がテレビパソコンの内部に立ち入ることはない(不正利用があると疑いのある場合には、ログを検査する等のテレビパソコンへログインして、プロバイダとしてログの検査を行う権限は留保している)。このように、テレビパソコンの設置は利用者の意思にもとづいて、その指示にもとづき債務者が受託者として行ったものである。

第7 まとめ(図1:「録画ネット」サービスの仕組み(実体))

1 このように、本件サービスにおいて利用者は、手元のパソコン、モニタ、キーボード、マウス、ハブ、ルータ、ブラウザソフトウェア、再生ソフトウェア、ブロードバンド利用契約などの多くの器機類を調達・準備・支配・管理し、これらをネットワークなどに適切に接続し、ブラウザソフトを手元のパソコンにインストールしてテレビパソコンを遠隔操作できる準備を整えて、その上で債務者からテレビパソコンを購入し、ハウジングサービスを利用している。

2 パソコンを物理的に債務者に預けても、ログインにより論理空間を管理・支配しているのは利用者である。wwwサーバはセキュリティ維持のためのハウジングサービスの一環に他ならず、利用者は同サーバにはログインしておらず、テレビパソコンに直接ログインしている。それゆえ、テレビパソコン内部の論理空間を排他的に管理・支配しているのは利用者である。債務者が提供するwwwサーバの認証、電源のON/OFF、死活監視などのサービスはハウジングサービス業者としての標準的なもので、録画行為の主体認定における「管理・支配」とは無縁の性質のものである。

3 そして、本件サービスにおいて「システム」と評価されるべきは、利用者が所有する2台のパソコンからなるクライアントサーバシステムであり、完全に閉ざされた私的領域を形成する零細な個人的なシステムである。本件サービスでは図1のグリーンの領域を超えてファイルが流失することはないのである。一方で債務者の事務所に並んでいるテレビパソコン間は有機的な関係がないので、一つのシステムと評価する事は論理的に誤りである。またwwwサーバを利用した多重ログイン判定は、セキュリティ確保という利用者の希望を適うための方策であるし、不正アクセス行為の禁止等に関する法律(第5条の義務)にも沿った対策である。それゆえ、複製にかかる「支配」とは何らかかわりがない。

4 複製行為の主体を認定するに際しては、意思と行為が誰のものであるかを考えなくてはならない。どの番組をいつ録画するかといった具体的な番組の選択は利用者が行っており、録画に利用する手段も自ら管理するテレビパソコンである。また、ログイン後に発行する命令に従ってのみ録画が実行されるが、ログイン用のパスワードを利用者が適時に変更してテレビパソコンを排他的に管理している。さらに、録画済みの具体的な著作物を管理しているのも利用者である。それゆえ、複製の意思と行為は利用者に存する。

5 債務者は、テレビパソコンを所有し、ハウジングサービスを利用することを選択した利用者の要請に応じてテレビパソコンを設置しているものであり、設置主体は利用者に他ならない。

6 複製との関係における「管理・支配」の程度は圧倒的に利用者が大きいことは、図1のとおり一目瞭然であると同時に、録画しているのは利用者であり、債務者が録画しているわけでないこともまた明白である。

 

第2章 決定書の誤り

第1 決定書第3について

1 1 争点(1)(複製の主体)について

(1) (1)について

アについて

「共通のソフトウェアがインストールされ」ているわけではない。パソコンの納品時期ごとにソフトウェアは異なっているし、また、アップグレードを希望しない利用者のパソコンには旧いバージョンのものがそのままになっている。

「全体として一つのシステム」としている点は誤りである。すなわち、「録画ネット」で利用者が録画・視聴できるシステムは典型的なクライアントサーバシステムであり、利用者側のパソコンと債務者側のパソコンが一対となっているシステムであると把握すべきである(第1章第3)。それゆえ、債務者側に存する機器を意味もなく一括りにして「システム」云々することは録画の仕組みの実体を考慮しておらず誤っている。

イについて

 「いずれも債務者が調達し」「適切に稼働するよう管理している」とするが、.謄譽咼僖愁灰鵑枠稜笋里燭瓩忙兎れたものであり、その「調達」行為を管理・支配の要因にするのはおかしい。ハウジング業者が自ら販売したパソコンを預かったらパソコンの中身を支配したことになるのか。また、▲謄譽咼僖愁灰鵑蓮⇒用者からの申し込みを受理後、利用者の個人情報に基づいて個々的に設定し、ID・仮パスワードを通知の上、契約にもとづき義務の履行として預かっているものであり、債務者のイニシアティブで稼働・管理させているわけではない。また、物理的に「管理」しても、パソコンの中身(演算機能)については立ち入っておらず、複製との関係では、債務者は「管理」していない。

エについて

(イ)「利用者が購入できるのは、債務者が選定、調達し、適時に販売するテレビパソコンのみであり、市販のパソコンを購入し、それを利用して本件サービスに加入することはできない。」という点について。

この取扱いは、利用者の負担コストを下げるための工夫である。すなわち、債務者は市販のパソコンより、安価で販売するために努力し、仕入をしている。市販のパソコンを預かれば、大きさ、重さ、取り扱いがそれぞれ異なり、サポート業務が煩雑化してしまう。個人用のハウジングサービスを展開するにおいては、リーズナブルな価格で提供する事が不可欠だが、いたずらにいろいろな種類のパソコンを預かろうとすれば、結果的に高価なサービスとなってしまう。かような企業努力が複製の複製行為の管理・支配を裏付けるものではないことは明白である。

(イ)「テレビパソコンのみの販売には応じておらず、その設置場所も、債務者が指定する事務所内に限られている。」

大手企業のように、日本全国にパソコンを販売したら、債務者の規模では充実したサポートを提供することは困難である。それゆえ、パソコンのサポートを必要としている度合いがより強い人、すなわち自宅に自力で設置して管理することが難しい人にとって役立つ存在になりたいと考えて、本サービスをスタートさせたものである。かような企業規模からくる制約が、複製行為の管理・支配を裏付けるものではない。

利用者にとっては、テレビパソコンという商品の存在を認知した後、自宅に設置するか、別の業者のサービスを利用するか、あるいは本件サービスを利用するかの選択肢があった。その中で、敢えて債務者のサービスを利用することを選択したのは利用者であり、設置場所は利用者の指示・委託に基づいており、他主占有である。その意味でも、かような物理的管理についても、債務者が複製の主体であるということにつながることはありえない。

(ウ)「本件サイトにアクセスし、認証を受けた後、その所有するテレビパソコンにアクセスし、録画予約の操作を行う。」

不正防止のためのサービスである。テレビパソコンの内部に立ち入っているわけではないので、複製との関係では「管理」にはあたらない。かような関与が複製行為の主体認定に影響するというのであれば、ハウジング業者やプロバイダ業者は、違法書き込み等について責任を負わざるをえないことになるが、この帰結は現行プロバイダー責任制限法の立場にも真っ向から反する。

(ウ) 「ハードディスク内にファイルとして保存される」

ハードディスクはまさに利用者のテレビパソコン内の私的領域内であり、当該テレビパソコンにログインできる者つまり利用者が支配している領域である。それゆえ、ハードディスク内にファイルが保存されることは、まさに利用者が複製を管理・支配していることを雄弁に物語っている。例外的に、不正アクセス等の場合は、所有者、公的機関の求めにもとづきパソコン内部に立ち入ることがある。

(エ) テレビ番組録画のための共通のソフトウェア

テレビ番組を録画するためのソフトウェアは、Linuxの配布CDに同胞されており、同ソフトウェアが動作するには、債務者製のソフトウェアを必ずしも利用する必要はない。しかし、債務者は利用者の使い勝手の良いインターフェースを提供するという職業上の使命感からブラウザベースの簡単なインターフェースプログラムを提供したものである。録画を担当しているプログラムは、債務者製ではない。かように、債務者はインターフェースプログラムを提供したに過ぎず、このことが複製を管理したことにはならない。

(エ) 操作できる内容は、録画予約、予約内容の確認、録画済みのファイルの確認など、同ソフトウェアに規定されたもののみである。

ユーザーが必要とする命令を発令できるようにしたソフトウェアであり、必要な項目は全てそろっている。一般のビデオデッキと同じ項目である。たしかに、同ソフトウェアが規定しているとはいえるかもしれない。しかし、命令を受け付ける側のプログラム(ffmpeg)においても既に規定がなされて、この規定自体も債務者が設けている訳ではない。債務者は、インターフェイスの面で利用者にとって取り扱いを簡易にしたに過ぎない。また、録画済みのファイルを確認する画面は、具体的な著作物の管理を行う現場である。同画面には転送の他に、削除する機能がある。かように、利用者が排他的に操作して直接著作物を管理・支配している。

(オ) 保守管理の目的で社外秘ファイル、ログなどを記録している。このため、返却時はハードディスクを初期化する条件となっている。

社外秘ファイルは、多重ログインを禁止する機構が利用するファイルのことであり、これを外部に流出させることは、テレビパソコンのセキュリティの確保に脅威となる。またログを記録する事は、プロバイダー責任制限法に基づく、ノーティス・アンド・テイクダウンの処置を行うために不可欠であり、それゆえその改竄を防いでいる。これらが初期化して返却していたことの理由である。いずれも、セキュリティ対策であり複製の管理の要素にはなりえない。

(オ) 以外の方法で、テレビパソコンにアクセスしたり操作することはできないと認められる。

利用料金を低額にするため、httpのみアクセス可能としたが、ファイルサーバとしての利用の仕方がある。

(2) (2) について

ア ア私的複製について

(ア)、(イ)および(ウ)について「録画ネット」をあてはめる。

(ア) 「録画ネット」においては、利用者が自ら所有する2台のパソコンを使用して、テレビパソコンにログインすることにより排他的にテレビパソコンを支配し、自分の好みで、誰にも干渉されず、知られることもなく特定のテレビ番組を録画している。それゆえ、利用者による複製は仝朕妖使用目的であるとすると、∋藩兌圓砲茲詈製であることは明らかであるため、私的複製として合法である。利用者が複製の主体であることについては、第1章のとおりである。

(イ) 債務者はハウジングサービスの一環として利用者所有のテレビパソコンに電源が入っているかどうか点検したり、スタックしたときにリセットすることを行っているに過ぎず、まさに「幇助」しているに他ならない。コンピュータの中身ないし論理的部分については債務者は全く立ち入っていないし、利用者がいかなるテレビ番組を録画しているかは関知していない。

現在、大手電器メーカーは、テレビ番組の日時、チャンネルを特定することなく単に「サッカー」、「ラーメン」、「歴史」といったキーワードを指定するのみで該当するテレビ番組を録画してくれるサービスを行っている(乙37)。このように、著作物の選択を行っているサービスが許されている現在、著作物には関与していない「録画ネット」が録画の幇助にすぎないことは明白である。

(ウ) 以上から、「録画ネット」サービスはあくまで利用者による録画行為を幇助していると認められる。代行サービスでないことは明白である。

(エ) について 

決定書は唐突に「本サービスにおける複製にかかる債務者の管理・支配の程度と利用者の管理・支配の程度などを比較衡量した上で、複製行為の主体を設定すべき」という。しかし、本件において、利用者が録画すべき番組を選択し、録画の命令を自分のパソコンに発令しており、録画の主体は明白である。にもかかわらず、管理・支配を云々するのは、理屈で債務者を複製の主体と認定したいからとしか考えられない。管理・支配で認定することについては、後述する(第2)。

イ 債務者の管理・支配性について

(ア) 一つのシステムが構成されているという理解は誤っている。録画のネットワークは典型的なクライアントサーバシステムであり、個々の利用者の手元のパソコンとその所有するテレビパソコンが一対になっているシステムが実体である。債務者が調達したのは、アンテナ、ルータ等のみであり(これらはパソコンをインターネットに接続するために不可欠な機器でありパソコンのハウジングサービス上、当然の設備である)、テレビパソコンは売却のために仕入れた後利用者の依頼にもとづき保管したものである。さらに、利用者の手元のパソコンはじめとする機器について、債務者は全く関知していない。それゆえ、録画を可能とする「システム」を債務者が管理しているというのは事実誤認も甚だしい。債務者と利用者の「管理・支配」の程度を比べるからには、利用者側の機器も対象に含めることが不可欠であるが、決定はこれをしていない。

(イ) テレビパソコンを債務者が選択したこと、債務者の事務所で預かることはハウジングサービスのコストを下げるための企業努力であり、このことをもって「管理」しているというのは的はずれである。

また、債務者がインストールしたソフトウェアはインターフェイスプログラムであり、録画を司っているわけではないし、企業努力で顧客に対して操作を易しくするソフトウェアを付加することは「管理」でないことは明白である。

各種のデータ保存は、ログを指すが、不正アクセス防止・解決のためのデータ保存であり、プロバイダ責任制限法に規定されるノーティス・アンド・テイクダウンの処置をとるために必要である。かように、セキュリティのための行為であり複製との関係では「管理」とは関係ない。

(ウ) インターフェイスプログラムを通じて簡便に予約できるようになったからといって債務者が管理していることにはならない。自動的に録画されるのは、利用者がテレビパソコンにログインし、録画命令を出したからである。自動であるのは、機械だからあたりまえである。本件サイトを経由しないと録画できないのは、不正アクセス防止のための仕組みである。ログインは、利用者が直接テレビパソコンに対して行っている。

ウ 利用者の管理・支配性について

 (ア) 利用者が数ある選択肢の中からその意思で債務者の販売するパソコンを選び、そのハウジングサービスを選択してものであり、委託契約にもとづいて間接占有・自主占有している。そして、さらに本質的なことは利用者はID・パスワードにより(パスワードはいつでも変更することができる)自らのテレビパソコンにログインすることにより、同パソコンを排他的に支配している。パソコンの内側ないし論理的部分、演算機能を支配する者が支配しているというべきである。

(イ) インターフェイスプログラムを利用することは利用者にとって簡便(ユーザフレンドリー)だからである。録画用途以外にも、ファイルサーバとしての利用は可能である。それ以外の用途で利用できないことは、ハウジング料金を下げるための工夫(ポートをhttpに絞っていたこと)の帰結である。そして、このことは契約により利用者が選択したことであり、債務者が利用者に対して強いたことではない。解約前にパソコンの返還を受けることができないことはない。ハウジング契約が存続するのにパソコンの返還を求める者はいないというだけのことである。

(ウ) 利用者は、その意思で2台のその所有するパソコンを操って録画を実行しているものであり、システムを支配しているのはまさに利用者である。

エ、オ、カについて

 上記のとおり、システムを支配しているのは利用者であり、債務者はハウジング業者としてスタックの際の復旧や、セキュリティ維持のためのサービスを行っているものであり、まさに幇助しているものである。録画代行サービスとは全く異なる。

 

第2 「管理・支配」について

1 カラオケ判例のロジックを本件に適用することの不合理

明らかな違法性が先行していないにもかかわらず、カラオケ法理を持ち出す前提を欠いている。カラオケ判例においては、店は、音楽テープやビデオソフトなどの複製されるコンテンツまでも提供しており、著作権者の利益を損なっていることが明白である。しかも、楽曲使用料が必要であることも周知である。かような場合に、規範的に主体認定して正義を実現することは理解できる。しかし、本件では債務者は誰にも迷惑をかけていない。

この点、債権者は、海外でDVDが売れなくなるとか、オリンピックの放映料が高騰する等、あたかも債務者の行為で被害が発生しているごとき主張をしている。しかし、 コンテンツが海外流失するのは、インターネットが発達したからであり、債務者とは関係ないことである。

2 ファイル・ローグとの明らかな違い(ログインの観点から)

利用者はファイルローグ社の中央サーバ(File Rogue Server)に直接ログインして、共有ファイルのカタログ情報をアップロードしている。このサーバはファイル・ローグ社が管理しているだけでなく、利用者のログイン先がこのサーバの論理空間となっている。このサーバに利用者がログインしないと情報が集まらない仕組みになっており、このサーバなしでは、ユーザー間でファイル交換することは不可能である。一方で、本件サービスでは、このような中央サーバ的な機器は存在しない。WWWサーバは、セキュリティ維持のための多重ログイン防止機能を持っているが、利用者は同サーバにログインしない。利用者のログイン先は自己所有のテレビパソコンである。このテレビパソコンにログインできるのは所有者以外に誰もいない。さらに、本件サービスの利用者が違法行為を行っているという指摘は全くない。かように、ファイルローグと「録画ネット」とは仕組みが全く異なる。また、ファイル・ローグ事件では、ユーザー間で起きる違法なファイル交換が問題にされたのに対して、本件サービスでは、違法な行為など一切起きていない。

3 「管理・支配」の対象

決定は、管理・支配の対象を確定していない。複製行為を司っているパソコンの内側を管理・支配している者が誰か、という視点で捉えることが不可欠である。すなわち、デジタル化・ネットワーク化の時代においては、物理空間(実空間)以外のもう一つの空間の存在に気づかなければならない。つまり、コンピュータシステムにおける電子空間内の論理空間の存在である。例えば、プロバイダが利用者に対して貸し出すハードディスクスペースにおいては、ハードディスクが物理空間すなわち物理的記録媒体そのものであるが、その内部で現実に起こっている事象である「データ保存・消去」などの行為は、完全に利用者が管理・支配する論理空間でのできごとである。かように、コンピュータでは物理空間と論理空間は完全に乖離しており、物理的な器機の管理者であっても、権限がないと論理空間を管理・支配することができない。そして、論理空間を支配・管理ができる者を判断するのがログインという概念である。

「録画ネット」のサービスでは、物理的なサーバ自体も利用者の所有物であり、録画ネットはそのサーバに物理空間である設置場所とインターネットへの接続などの手段を提供しているにすぎない。複製はコンピュータ内部の論理空間において行われており、ログインした利用者の意思と行為によって行われている。

4 プロバイダの健全な発展、ネットワーク社会の健全な発展を見据えた主体認定の必要性図5「本決定の帰結」

決定は、プロバイダとして当たり前の機器の管理・支配性をとらえて複製の主体を認定した。しかし、これでは、複製の主体が過度に広範となってしまい妥当でない。すなわち、プロバイダは、複製に必要な全ての機器やプログラムを調達、準備、管理、支配している。利用者はプロバイダの定めたルール、プログラム、方法に基づいて操作、利用している。プロバイダは、主体であるということになると、違法書き込み、違法複製物がアップロードされたことを理由に責任を負わされることになりかねない。これでは、プロバイダの健全な発展、ネットワーク社会の健全な発展を抑制してしまう。また、プロバイダ事業の市場独占を放送局に許す結果になる。

 

第3 債務者の利益・権利について

1 海外邦人の利益を尊重する必要性

海外邦人、とくに海外赴任中のビジネスパーソン、その家族にとって日本の情報をテレビ番組からいち早く、ふんだんに入手する必要性が大きい。また、同行した子供にとっては日本語・日本文化を無理なく吸収する方策としてテレビ番組視聴は極めて効果的である。日本人としてのアイデンティを維持し高めるために、日本のテレビ番組に日常的に触れることは大切である。

インターネットの整備、通信技術の進歩によりクライアントサーバシステムを用いることによりサーバ所在地のテレビ番組をクライアントパソコン所在地で録画することが容易くなった。この技術により海外邦人と国内邦人の情報格差は縮小されていくに違いない。この恩恵は、日本国内にサーバを設置する場所を持たない者、パソコンの設定が苦手な者、スタック等に対応してくれる者が見つからない者にも等しく与えられるべきである。

ハウジングサービスを用いることにより、これら自宅等にサーバを設置できない者も等しく日本のテレビを録画することができる。この利益享受を否定するいわれはない。また、そもそもテレビパソコンを購入すること、ハウジングサービスと契約することは何人も任意になしうる事柄である。

2 著作権法は、著作物等の「公正な利用に留意」することを要請しているが(1条)、上記のとおり海外邦人が、テレビパソコンを購入すること、ハウジングサービスを利用することは自由であること、テレビ視聴の必要性が大きいこと、本件で自然的に観察すると利用者がその意思でテレビパソコンを操作して録画していることに照らすと、「録画ネット」における複製の主体は利用者であると解することがまさに「公正な利用に留意」した解釈である。

3 表現の自由(憲法21条)

のみならず、根本的には利用者がテレビパソコンを購入しハウジングサービスと契約しパソコンを預けることは、表現の自由(憲法21条)によって保障されている。すなわち、情報の発信者と受領者が分離している現代において表現の自由は、情報入手を国家から妨害されないことを含む。それゆえ、利用者がテレビパソコンおよびハウジングサービスを用いて情報入手することを裁判所が差し止め行為により妨害することは、航空書簡の受け取りを禁止することと同質であり、表現の自由の侵害である。しかも、情報が手元に届く前にこれを妨げているのだから、原則的に認めてはならない事前抑制に該当している。かような人権侵害を放置することは許されない。

4  平等原則(憲法14条)

また、テレビパソコンの購入自体は自由であり、海外からテレビパソコンを操作してテレビ番組を録画することも自由である。また、ハウジングサービスを利用することも自由である。にもかかわらず、ハウジング業者にテレビパソコンを預けることを禁止することは、ハウジング業者を利用しないでテレビパソコンを利用する者と、利用せざるを得ない者との間で合理性の無い差別的扱いが存する。そして、上記3のとおり極めて重要な人権である表現の自由の侵害が発生していることに照らすと、この区別に合理的根拠はないことは明白であり、裁判所による本件仮差し止め行為は平等原則(憲法14条)にも違反している。

第4 まとめ

1 在京キー局がこぞって、コンテンツが海外流失している、海外でのDVD販売の妨害になる、オリンピック放映権などが高騰し国内邦人に迷惑がかかるといった「損害」を云々し、たしかに債務者事務所にはパソコンが多数設置されており大規模な録画システムのようにも見える。これらから、裁判所が「些末な悪徳業者が録画代行している」との印象をもち、しかし録画行為・意思は利用者にあるのは明白であるから、「管理・支配」の理屈で債務者の行為を禁止しようと発令したのが今回の決定であろう。

2 しかし、気づいて頂きたいのは、債権者が挙げている「損害」は債務者が惹起するものではない。テレビ局の利権を脅威にさらしているのは、インターネットとIT技術の普及である。これら高度・大規模な技術を開発、普及させたのは、もちろん債務者ではない。また、テレビパソコンの普及を推進しているのは大々的に販売されている大手電器メーカーであるし、「インターネットテレビ」(乙48・日経新聞記事「ソニー、ネットTV強化」・・・「ソニーは自宅で普段見ているテレビ番組を海外でもインターネット経由で楽しめる「インターネットテレビ」事業を強化する。従来、小型液晶テレビの専用端末に限定していた機能だったが、ノートパソコンでも視聴できる専用ソフトを開発した。海外出張の機会が多いビジネスマンなどの需要を掘り起こす。」)も登場した。さらに、そもそも海外で録画番組を試聴することはコンテンツ「流失」ではないはずである。所有者の2台のパソコンの外にコンテンツが流出しているわけではないからである。IT時代では、クライアントマシンの前に座っていることはサーバ(テレビパソコン)の前に座っているのと同じである。

3 また、録画の仕組みを分析すると、債務者事務所に多数あるテレビパソコンが一体化して「システム」を形成しているわけではないことが分かるはずである。本件利用者が録画するためのシステムは、典型的なクライアントサーバシステムであり、利用者の手元のパソコンとその所有するテレビパソコンを一対としたシステムである。ようするに、本件では利用者の数と同数の「システム」が存在しているのである。そして、テレビパソコンはログインする権限により利用者が支配しているし、ハブ、ルータ、電源等はインフラの一環ないしそれを支える機器であるしハウジング業者なら当然用意している機器であり、かかる機器があったからといって「支配」の程度が高まるというのはおかしい。WWWサーバや死活サーバもセキュリティ維持のための機器であり複製行為との関り合いは無い。債務者はハウジングサービスの一環として利用者の機器を保守・管理しているのであり、その中身ないし論理的空間には入り込んでいないのである。

4 かような物理空間と論理空間の乖離を理解しないと、プロバイダやハウジング業の健全な発展の芽を摘むことにもなる。個人向けパソコンの大多数がテレビパソコンとなっている現在、ハウジング業者が預かったパソコンをアンテナに接続することが違法だとすると、ハウジング業をテレビ局が独占することを認めてしまうことになる。本決定はかような重大な帰結を導くことに気づいていただきたい。

5 さらに、利用者の日本のテレビ番組を視聴する利益、憲法上の人権保障に配慮して著作権法を解釈すべきである。もちろん、テレビパソコンの販売とハウジングサービスという適法な行為を組み合わせ、しかも低額に提供することに成功した債務者の営業活動には、違法性は全く無い。

第2章        決定後の事情(図6 「録画ネット」サービスの仕組み(実体))

 前章のとおり、本決定は不当であるが、債務者は一刻も早く本サービスを再開すべきと考え、決定が指摘した「管理・支配」要因を下記のとおり払拭した。これにより、債務者は、決定のロジックに照らしても、複製の主体では無くなった。よって差し止めの理由は無いので、上記のとおり利用者の人権侵害が継続していることも考慮のうえ、決定を即刻取り消されたい。

1 ア−(ア)(ア−(ア)は乙49「業務改変計画」に一致。以下も同様)

従前、所有者から預かるパソコンを一般的な呼称「テレビパソコン」と呼んでいたが、この度「パーソナルサーバ」と呼称を変更した。これにより、放送番組の録画以外の機能があることを明確にした。利用者はパーソナルサーバを利用してデジタルデータを外部保管することができる。

2ア−(イ)

従前、ネットワーク内を流れる通信パケットを少なくしてネットワーク・セキュリティーを高める目的と、利用していたルータの性能上の限界制限から、ネットワーク内を通過できるプロトコルをHTTPに限っていた。

しかし、この度、ルーターを変更するとともに、ネットワーク・セキュリティーポリシーを変更して、SSH(Linux OSの配布CDに標準的に付加されているコマンドライン・インターフェースのリモート操作用のソフト)により、接続先のコンピュータシステムに対して全ての操作が可能であるとした。もっともWindowsOSなどでなじみのあるグラフィカルなユーザー・インターフェース(GUI)ではないため、操作するためにはある程度のコンピュータ知識が必要となった。

以下、変更済みの利用方法を操作画面に即して説明する(乙・38の1ないし3)。

ルータ番号HOST219.123.184.146、右の TCP port番号7210が個々のパソコンにあてがわれた認識番号である。個々のパソコンの指定 SSHに黒点がついており、このとおりSSHソフトを経由して進入する道筋が設定された(乙38の1)。

次に、オーケーを押して現れるウインドウにユーザーネーム、パスワードを書き込み、オーケーをクリックする(乙38の2)。

すると、プロンプト(コンピューターが命令入力を受け付けられる状態)が現れる(乙38の3)。

かように、利用者は自分のパーソナルサーバを自由に操作することができるようになった。操作の内容は債務者が付加したソフトウェアによって規定されることが無くなり、ログイン時にWWWサーバに多重ログインの問い合わせをすることがなくなった。

3 ア−(ウ)

利用者が、購入したパーソナルサーバに自由にファイルを置くことは、「テレパソポケット機能」(ファイルサーバ機能)によって、従前から可能であった。

この度、債務者作成のソフトウェアを全く介することなく、ファイルサーバ機能を利用する方法を追加した。SCP(Secure Copy)というソフトウエアを用いる。このソフトウェアは、送信するデータを暗号化することでファイルを遠隔地のサーバに安全にコピーする機能を有する。

そして、本サービスにおいて、クライアントPC(利用者の手元にあるPC)にSCPクライアントソフトをインストールすることにより、クライアントpcとパーソナルサーバの間でファイルの交換ができるようになった(乙39の1)。そして、ログインすると、ファイル交換するグラフィカルウィンドウが現れる。そのあとは、Windowsの操作と同じくドラックアンドドロップでファイルを交換することができる(乙39の2)。

4 ア−(エ)

従前も、ffmpegという録画ソフトウェア(もちろん債務者製ではない)を利用して録画が実行されていた。この度、ssh接続が可能となったため、録画に使用するアプリケーションソフトは、ffmpeg以外のものも使用可能となった。またffmpegを使用する場合も、ssh接続さえすれば、債務者作成のソフトウェアを一切経由せずにテレビ番組を録画することができるようになった(乙40)。

5 ア−(オ)

ssh接続を可能とした結果、利用者が自らプログラムを書いて、実行可能なソフトウエアを作成することが可能となった。Linux OSの配布CDには標準的に、c,javaなどの言語で書いたプログラムを実行形式に変換するコンパイラー・ソフトがついている。

6 ア−(カ)

従前は、ネットワーク内を流れるパケットを可能な限り少なくすることでネットワークの回線コストを低く押さえることにより、ハウジング・サービスを低額で提供していた。Linuxにはホームページサーバサーバーソフト(Apache)が標準的に付加されているため、改変後は、利用者がパーソナルサーバを利用して私的なホームページを公開できるようになった(乙41)。かように、利用者所有のサーバがテレビ録画以外の目的で利用できることが明確となった。

7 ア−(キ)

従前は、ネットワークのセキュリティーを高く維持するため、多重ログインを防止するプログラムを実行していた。しかし、この度、プログラムを実行していたwwwサーバが複製行為を支配しているとの誤解を無くすため、多重ログイン機能を廃止した(乙42)。このように、ログインボタンが無くなった。

新しいログインの仕方は以下のとおりである。

認証画面(乙43の1)にユーザー名とパスワードを書き込み、オーケーを押すと録画画面(乙43の2)が現れる。

8 ア−(ク)

従前、サーバーの死活を外部ネットワークから判定する付加的サービスとして死活監視(Ping)機能を提供していた。このサービスは、ハウジングサービスとしては標準的なものである。しかし、決定により録画のためのシステムの一部であると認定されたので、この際、死活監視(Ping)サーバは撤廃した。

9 ア−(ケ)

従前、債務者が預かるサーバは債務者販売のマシンに限定していた。これは、ハウジング料金を低額する工夫であった。すなわちサーバの大きさが不均等ではサーバーラックに収まる台数が計算できないし、重量もまちまちでは、1フロアに設置できる台数も把握し難い。また、機種がばらばらだと、電源のON/OFFの方法などの使い勝手も違うので、単純な再起動を代行するだけでも、その機器専用のマニュアルを参照しながら作業をしなくてはならず、サポート・コストが高額となってしまう。ハウジングセンターの限られたスペースでより多い台数を預かり、効率よくメンテナンスして営業利益をあげるために、サーバは債務者製のものに限っていた。

しかし、この度、決定によりのこのことが具体的な著作物複製の管理・支配にかかわると判断されたので、やむを得ず市販パソコンを預かるハウジングサービスを開始した(乙・44)。

10        ア−(コ)

従前、債務者はハウジングサービスを前提にサーバを販売していた。これは、企業規模から来る制約であるとともに、より需要の高い者に対して販売することを意図したためである。すなわち、資本金300万円の設立2年目の企業が、大手のパソコンメーカーとパソコン販売競争をしても勝ち目がない。1ヶ月に製造できる台数は資金的にせいぜい50台であり、このマシンを日本全国に販売したら、責任あるアフターサービスを実施することが危惧される。また、債務者は、「録画ネット」を必要としている度合いのつよい人から順にパソコンを使ってもらいたいとの願いから、ハウジングサービスを利用する者に販売するという方針をとっていた。

しかし、決定によりハウジングサービス前提のマシン販売が具体的な著作物複製の管理・支配にかかわると判断された。そこでこの度、債務者製サーバの一般向け販売を開始した(乙45)。

11        ア−(サ)

従前、債務者は、利用者から預かっていたパソコンを初期化して返却していた。これは、多重ログイン機構がなんらかの形で外部に漏れ、セキュリティに脅威が及ばないよう配慮してのことである。また、そのまま返却しても、自宅で利用していただくためのサポートを提供する事が難しいことから、返却後はWindowsとして使ってもらいたく、そのため初期化していたものである。

かような、セキュリティ上の理由と利用者のその後の使用の便宜のための措置が、決定では具体的な著作物複製の管理・支配にかかわると判断された。そこで、この度、返却時にもパソコンハードディスクの初期化をしないことにした(乙・46)。

12        ア−(シ)

ハウジングサービス契約時、アンテナケーブル、ネットワークケーブルなどの付帯設備の一部も利用者が調達するよう改変する。

13        ア−(ス)

パーソナルサーバのテレビ録画以外の機能、ホームページ公開機能、ファイルサーバ機能等も積極的にアピールする。

14        ア−(セ)

従前、ssh接続を上述のとおりの理由により通過させていなかった。この度、sshにて接続できるようにしたことに伴い、利用者にルートのパスワードを通知した(乙・47)。

15        ア−(ソ)

従前は、パソコンの設定はもっぱら債務者が行っていた。これはセキュリティ維持、個人情報保護のためである。すなわち、利用者が設置するという理由で債務者事務所に立ち入ることを安易に認めることにより、誤って機器を壊してしまったり、他の利用者の個人情報が漏洩してしまうというリスクがあるので、これを回避していたものである。

しかし、パソコンの設定が複製行為の主体にかかわるということであるから、この度、コスト高にはなるが債務者担当者が利用者に付き添い利用者自身が設置するオプションを追加した。

16        ア−(タ)

従前も、「録画ネット」を私的利用目的のみ利用することを前提にハウジングサービスを提供していた。

この度、サービス開始前に全利用者から私的利用以外の目的には使わないという合意書を取り付けることとした。また、これに反するような行為があった旨の情報を入手したときは、ハウジングサービスを停止しうる旨を明確化した。またプロバイダ法に基づく、ノーティスアンドテイクダウン処置もとれることを明確に宣言した。


疎 明 資 料

乙34号証 ウェブページ広告「メディアコネクト」

乙35号証 雑誌広告「エアボード」

乙36号証 ウェブページ広告「リモートアクセス」

乙37号証 ウェブページ広告「おまかせ・まる禄」

乙38号証1ないし3 操作画面「SSH」

乙39号証1および2 操作画面「SCP」

乙40号証 録画実行画面「ffpeg

乙41号証  ウェブページ「ホームページ公開例」

乙42号証 債務者ウェブページ

乙43号証の1 認証画面

乙43号証の1 録画予約画面

乙44号証 債務者ウェブページ

乙45号証 債務者ウェブページ

乙46号証 債務者電子メール

乙47号証 ssh実行画面

乙48号証  新聞記事「ソニー、ネット

乙49号証 債務者ウェブページ

添 付 資 料

1 乙号証             各3通

2 資格証明書            2通

2 訴訟委任状            1通


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